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【コラム】学びを促す教え方・第1回Learner-Centred ランニングアカデミー

ランニングレポート

Bring Upランニングパフォーマンスアカデミーコーチの古川です。

これから定期的に“コーチング学”に関連 する コラム を紹介させていただき、
少しでも本アカデミーについての理解に繋がれば幸いです。

 

※学びを促す教え方※

何度も教えたのになんで伝わらないの?なんでできないの?子育て、職場などなど、人と関わりあう中で誰でも一度は直面したことがあるのではないでしょうか。では、どんな時に“教えた”といえるのか。例えば、それは相手が教わったことを何らかの形で表現できるようになった時だといえます。しかし、相手が理解することや、達成するまで“教える”ことは容易ではありません。

今回から数回に渡って、相手の学びを促す教え方について「LEARNS」という考え方を基に紹介させてもらいます。

 

LEARNSとは?

・ Learner-Centred(学習者主体)

・ Environment(環境)

・ Actively Involved(積極的参加)

・ Reflection(振り返り)

・ New Learning(新たな学び)

・ Stretch(ストレッチする)

 

6つのキーワードの頭文字をとって「LEARNS」です。

 

第1回は、Learner-Centred(学習者主体)、「相手に合わせた伝え方」について

 

人はそれぞれ学び方に好みがあると言われています。目で見て覚える。説明を聞いて耳で覚える。字に書いて覚える。実際に体を動かして覚えるなど。同じことを教えるにしても、選択する方法によって相手の理解度は変わってきます。

 

私の息子の話を例に出して考えていきます。実現したい目標は「家の中で静かに歩けるようになる」です。

 

私の息子は、現在1歳8か月。じっとしている時間は寝ている時くらい。 家の中を全力で走り回り、とんでもない騒音問題を引き起こします。「静かにして!」何度口で言ってもわかってもらえません…親の都合は関係なし。

 

どう伝えたらわかってくれるのでしょうか?

 

そもそも、静かにしろと言っても、この子は静かな状態とは?静かに歩くとは?知らないのではと思い、体験を通じたアプローチを取ることにしました。

 

早速試してみたのが、「水の入ったコップをこぼさないでママに渡すゲーム!」食事のお手伝いも兼ねてやってみると…見事にそーっと運んでくれるんですね。

 

親は嬉しくてベタ褒めです。息子も嬉しくなって何度もチャレンジしてくれる中、うまくできたときに「静かに歩けたね」と伝えてあげます。この流れを繰り返すことで、少しずつ静かに歩くとは何か理解するとともに、静かな歩き方を身体で覚え、次第に走り回っている時でも「静かに歩こうね」と指摘するだけで静かに歩き始められるようになりました。

 

コーチング学では、より良い伝え方を考えていく上で重要なのは、

・誰にでも同じ伝え方はしない

・知るべき情報や、伝える方法を見極めることだと言われています。

 

私たちは様々な経験により知識や能力、物事の捉え方に大きな差が生まれます。 自分にとっては簡単なことだったり、当たり前と思うことでも他人も同じとは限りません。うまく理解してもらえなくても相手の責任にせず、自分の教え方が相手に伝わる形であったか?他の方法はないか?自分の常識を疑い、相手に寄り添って考えてみると多くの選択肢に気づけるのではないでしょうか。

 

私の息子を例に挙げましたが、走り方の指導でも「伝え方」に関する考えは同じです。

 

例えば、一歩一歩膝を高くあげて走ることを目標とした場合、子どもに「もっと膝を高く上げて!」と指示を出すこともできますが、指示通り動くことは意外と難しいです。実際に見本を見せたり、走る途中に小さなハードルを置いて膝を上げて走るってどんなことか体験させてみたり、あの手この手を使って相手にあった伝え方を考え、「できる」まで寄り添ってコーチングしていきます。

 

次回は、「Environment(環境)」についてです。